インプラント10年保証の不安

インプラント10年保証の不安

現在、「インプラント保証」と検索をすると、「インプラント10年保証」という広告が目立ちます。
では、10年保証とはどういう事でしょうか?

すべてではありませんが、10年保証を広告する歯科医院の多くはインプラント保証会社と契約をしています。
具体的にいうと、インプラント1本に付き3万円(税抜き)を保証会社に支払うと その患者のインプラントの人工歯については、6年間の間、治療のやり直しが必要になった場合、技工代金の半額が出る。 骨に埋まっているインプラント部分に問題が出た場合は、10年内ならインプラントの原価の一部が保守会社から支払われるというものです。
ただし、3年間の間は、保証対象外です。

その保証会社に歯科医院が依頼するには、例えば10本の患者のために30万円以上のプラス料金が加算されます。 歯科医院の利益が30万円減るのではなくて、その費用を支払うのは、多くの場合患者本人でしょう。

インプラントの成功率は、文献にもよりますがおおむね、成功率96%以上です。
さらに、インプラントの失敗のほとんどは、1〜2年の間に起る事が科学的に証明されています。

「インプラント10年保証」というビジネスモデルは、考案した会社や提携先の保険会社にしてみれば、うまみのあるアイディアです。

10年保証

つまり、成功する人よりも失敗する人のほうが遥かに少ないのに、まだ失敗していない人達がお金を払う仕組みなのです。

あなたは、成功する可能性の方が高いのに、インプラント保証会社に多額の金額を払いたいですか?

そもそも、成功率100パーセントという手術や治療はこの世には存在しませんよね。

10年保証

もし、3年後〜6年後までの3年間の間に人工歯が割れたら、その時に治せば良いだけです。修理に1本あたり30万円はかからないでしょう。

10年保証

たった3年間の期間にだけ人工歯が壊れる可能性は、低いのですが、もし、駄目になった場合、その時に修理費を支払った方が安いといえます。
さらに言えば、3年間の間 問題の無かったインプラントが10年以内、つまりその後の7年間で、除去が必要になる可能性も低いものです。
一番除去の可能性の高い、1年以内と10数年後は、保証の対象外と規約に書かれていますので、その点は注意しましょう。

10年保証

歯科医院の宣伝文句としては素晴らしいキャッチフレーズである「インプラント10年保証」は、 「歯科医院側が10年間責任を持つ」という意味ではない事を知っておいて下さい。 また、「10年間は、トラブルがあってもお金はかからない」という意味ではない事が理解できましたか?
ましてや、10年もの間、問題は出ないという意味ではないですし、 インプラントを10年間保証というのは、『10年の間壊れないインプラントを保証します。』という事ではないのです。

あなたが、勝手な誤解をしないようにして下さいね。

もし、インプラント10年制度をすすめられたら、以下の点を確認しておいた方が良いと思います。

  • 「3年以内はどうなのか?」
  • 「11年目以降は全く面倒を見てくれないのか?」
  • 「なぜ、割高なインプラント10年保証制度を利用しているのか?」
  • 10年保証をしない分、安くなるのか?その場合の保証はあるのか?

そもそも、治療に絶対はありません。

歯科治療に永久はありません。

そこに永久を求める気持ちが、「インプラント10年保証」のビジネスを産んだわけですが、 患者側が不確実なものに確実性を求めているうちはトラブルはなくならないでしょう。

ごく少ないインプラントの失敗した人のためにインプラントで成功した多くの人がお金を払うという「10年保証制度」ですが、・・・

懸命なあなたは、保証会社に多額のお金を払う不安を抱えた歯科医師を探すより、インプラント治療に対して真面目な信頼できる歯科医師を探す事をおすすめいたします。

それでもインプラント10年保証が良い方はこちら

10年保証システムの保証規約・要約

条件・所定の定期メンテナンスを受ける事が必要。
  ・保証登録審査有。
注意・独自の保障限度額上限がある。
  ・限度額が減額される場合がある。

保証対象・メンテナンスを受けている状態でインプラントが脱藩、破折(偶然の事故の場合のみ)
保証外 ・メンテナンスを受けなかった場合(または故意、過失のある場合)の脱藩、破折
    ・契約後に発生した疾病
    ・インプラント周囲炎が発生した場合
    ・噛み合わせが悪かった場合
    ・担当以外で治療を受けた場合
    ・自然災害、など

メンテナンスは費用が発生する。1年に2回以上のメンテナンスを受けない場合、保証対象外とする。