歯科恐怖症の方へ

歯科恐怖症の方へ

歯科恐怖症とはどんな状態でしょうか?歯科恐怖症は、「デンタルフォビア」とも呼ばれます。原因の多くは、子どもの頃に経験した歯科治療の恐怖心、トラウマがです。 まれに、歯科治療を全く受けた事がないのに歯科恐怖症の人がいますが、 その多くは、幼少期に母親から『言う事聞かないと歯医者で歯を削ってもらうからね』と 言われた経験を持っている場合があります。 母親にとっては何気ない一言が、幼児の心に残ってしまうケースです。
また、パニック障害、対人恐怖症などの要因が原因となり歯科にもかかれない場合もあります。

怖い歯医者
  • 歯医者が怖い!
  • 痛いのが怖い!
  • 歯肉の注射が怖い!
  • 歯科医院のあの音が嫌だ!
  • 歯医者の匂いが嫌だ!

もし、あなたが歯科恐怖症でも、虫歯や歯周病、入れ歯の治療やメインテナンスを避けて生きるの事は、賢明ではありません。

しかし、心の中では分かっていても、人はやはり、嫌なことからは逃げたいものなのです。

治療の必要性を知りながら、恐怖の感情は止まりません。だからこそ、
『悩むのも苦しい。だから考えないようにしている。』という人がほとんどでしょう。

歯科恐怖症の方の歯科医院受診法

歯科医院に受診する前に、ある程度の恐怖のコントロールは可能なのです。その為に

パニック障害、歯科恐怖症の方で、心療内科や精神科を受診していない方は、まずは受診をおすすめいたします。 心療内科、心療科、精神科のどこに行って良いか分からないので行けないという方もあろうかと思いますが、どこに行っても良いのです。 なお呼び方は違っても中身ははどれも一緒です。

心療内科、心療科、精神科に行くと、問診表を記入後、医者のカウンセリングに始まり、必要なら精神安定剤を処方されます。

薬を飲めばすぐに治るというものではないでしょうが、心療科医、精神科医のカウンセリングに通院する事で改善する事もあります。

歯科医院に通院できるようになったら、
歯科医師に、状況と通院の事実を知らせて下さい。口頭で伝えるのに抵抗のある方は、問診表に記入して下さい。

そうする事で、特別な配慮をしてくれる事があります。

例えば、

  • 笑気鎮静法による歯科治療
  • 静脈内鎮静法による歯科治療

などです。

笑気鎮静法による歯科治療

「笑気鎮静法」をご存知でしょうか?笑気鎮静法とは、患者が笑気ガスを鼻から吸入しながら治療を受ける方法です。

これにより、

患者は、治療の恐怖がなくなり、心穏やかに治療を受ける事ができます。

全身麻酔とは違い、痛覚や意識を失う事はありませんので、抜歯や歯を削る時などは、局所麻酔を併用しますが、 多くの場合、麻酔の針を刺されたことにも気が付きません。

歯科麻酔医専門医が立ち会わなくても、担当歯科医師が1人でできる鎮静法です。

歯科医院によっては、笑気鎮静法の設備のない歯科医院があります。

また、ガスや器材などの準備が必要な事もありますので、あらかじめ担当歯科医師に聞いてみると良いかも知れません。

静脈内鎮静法による歯科治療

「静脈内鎮静法」をご存知でしょうか?静脈内鎮静法とは、患者の静脈に鎮静薬を点滴しながら、治療を受ける方法です。

これにより、患者は治療の恐怖がなくなり、心穏やかに治療を受ける事ができます。時間の感覚も無くなります。

多くの方が、治療後の感想として

  • 「いつ治療が始まったのかさえ、分からなかった。」
  • 「全く怖くなかった。またやって欲しい。」
  • 「とても気持ちが良い。このまま覚めないでいたかった。」

という表現をします。

これは、鎮静法です。体内に投与された鎮静薬が脳に作用して、このような作用を及ぼすのです。 全身麻酔とは違います。眠ってしまう方はいますが、基本的に痛覚や意識を失う事はありませんので、 抜歯や歯を削る時などは、局所麻酔を併用します。

歯科恐怖症なら静脈内鎮静法が受けられるか?

静脈内鎮静法は、普通、麻酔医が行うものです。歯科大学病院で、この方法が必要と判断されれば、静脈内鎮静法 を受ける事ができますが、一般開業の歯科医院には、麻酔専門医がいませんので、この治療法は特別なものといえるかも知れません。

歯科恐怖症克服情報

歯科恐怖症は、患者だけが悪いのか?それとも歯科医だけが悪いのか?

答えはどちらもNOです。
歯科恐怖症の人は、過去に何等かのトラウマになるような出来事を経験しているはずです。
そして、歯科恐怖症と気づいているということは、歯科医院に行く必要があるはずなのです。
医学的に『歯科恐怖症』という病気はありません。ですが、『歯科恐怖症』の患者は確かにいるのです。
理解してください。

さて、歯科医院にいく心構えですが、リラックスし、お話をする事が大事です。お互いを理解し不信感、恐怖感を取り除きます。
患者だけが歩み寄っても、歯科医だけが歩み寄ってもだめなのです。一人で行くのが怖ければ、友人や家族について来てもらうのも良いと思います。